「四つの恋の物語」

プロローグ


 
 3月も末になると春の陽気が漂い、車の窓を開けての風が心地よい。山々はまだ雪化粧を残しているが、海岸線の景観は申し分ない。平日なので道路もスムーズに流れ、最高のドライブ日和だった。
 北陸自動車道を敦賀で下り、男は車を国道27号線の舞鶴方面に走らせている。助手席の女はシートベルトをはずし、男の視線を避けるように背中を向けて外を眺めていた。ぎこちない雰囲気にカーステレオの軽快な音楽が空虚に響く。

  
 男は女が不機嫌な理由をずっと考えていた。2時間前に大津駅で待ち合わせて初めて会ったばかりだが、ネットのチャットでは気の合った四人グループで毎晩のように話している。たまたま二人きりになった時に女が海が見たいと言い、男がドライブに誘って今回のオフになった。
 チャットのイメージと現実のギャップが大きかったのだろうか。会話は途切れがちで噛み合わなり、途中からお互いにほとんど喋らなくなっている。


 「あの・・」
 美浜町を過ぎたあたりで沈黙に耐えられなくなったのか、女は男の方に体を向けた。
 「何?」
 しかし、そのまま女は俯き、また黙ってしまった。
 「言いたい事があるなら、言ってくれよ」
 苛立ちから男の口調には棘があったが、かえってそれで女は決意したようだった。
 「近くで止めて」
 男は、女が面白くないから帰りたがっているのかと思ったが、表情を見て理解した。大津から休憩なしにここまで走ってきて、どの辺から我慢していたんだろう?自分の迂闊さに赤面したが、そうは言っても何もない海岸線が続く。カーブの先にモーテルが見えた。その向こうには海岸沿いに大きなレストランがある。
 「あそこに入るけど、いい?」
 モーテルを目で示した男に、女は蒼ざめた表情で頷いた




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 ボギーとつる     ボギー・・・フリーター25歳

 狩人とあい     あい・・・・短大生19歳

 狩人とつる      狩人・・・・会社員45歳

 ボギーとあい     つる・・・・主婦35歳