第十章 再会

 東京での研修が始まった。はっきり言ってくだらない。形式ばって管理とは、指導力とは、経営とは何て学習しても役に立たないのは上司を見れば判る。アメリカの企業の理念を叩き込まれて模造紙にひねった答えを書き、最終日に発表する。この件について面接があり、それが昇格に影響するのだから情けない。
 最初の二日は研修所での寝泊まりだったが、研修所の電話から通信が出来なかったので三日目から自費でビジネスホテルに移った。
 ホテルで持ち込んだノートパソコンをつなぎ、久し振りにチャットへ入った。何となく眠れずに遅くなってしまい、そろそろ落ちないとと思った時、待ちに待った発言が現れた。

(ひめ)おはようございます。
(グラタン)ひめ・・ずっと待ってた
(ひめ)おひさしぶりです。
(グラタン)会える予感があったよ、うれしいよ
(ひめ)おげんきですか?
(グラタン)うん、ありがとう
(ひめ)今は東京ですか?
(グラタン)調布にいるよ
(ひめ)御迷惑おかけしました。
(グラタン)迷惑なんて・・ずっと寂しかった
(ひめ)変ですよ、グラタンさん。
(グラタン)どうして?
(ひめ)グラタンさんはお友達多いではないですか。
(グラタン)友達はね・・でも、ひめは別だよ
(ひめ)こんな朝早く大丈夫ですか?
(グラタン)時間は関係ない、ひめが大事
(ひめ)それは違います、自分が大切ですよ。
(グラタン)復帰は今?
(ひめ)昨日も少しいました。
(グラタン)がっかり、昨日まで入れなかったんだ。
(ひめ)でも来週まではやらないつもりでいたんです。
(グラタン)もう、おちついた?
(ひめ)はい、大分。
(グラタン)よかった・・・
(ひめ)研修大変ですか?
(グラタン)今はね・・でも、あと2日半
(ひめ)頑張ってください。
(グラタン)ひめ、会えない?
(ひめ)会えません。
(グラタン)そうだね・・ごめん
(ひめ)いいえ。
(グラタン)つい・・わかってるのにね
(ひめ)ごめんなさい、グラタンさん。
(グラタン)どうして!ひめがあやまることじゃない
(ひめ)いえ、いいんです。
(グラタン)ひめを好きになっては・・駄目?
(ひめ)友達ですよね?
(グラタン)それ以上
(ひめ)だめです。もう、グラタンさんとお話できなくなります。
(グラタン)でも、もう好きになってる
(ひめ)会った事もないのですよ。
(グラタン)会うより、わかる気がする
(ひめ)今、やっと元気がでてきた所なのに。
(グラタン)ごめん!うっかりしてた!!
(ひめ)だからお友達でいましょう。
(グラタン)うん、そうだね・・
(ひめ)グラタンさんはご家庭があるのですから(笑)
(グラタン)家庭があって恋をしたら駄目?
(ひめ)いけませんよ(笑)
(グラタン)ひめにね・・
(ひめ)はい。
(グラタン)チャットでの恋人に成って欲しかった
(ひめ)私はいろいろな人とお話がしてみたいです。
(グラタン)邪魔かな?僕は
(ひめ)いいえ、なぜですか?
(グラタン)特別な思いをもってる・・
(ひめ)私がいけないのです。
(グラタン)どうして?
(ひめ)いつもそうだから。お友達ではいけませんか?
(グラタン)メールを出してもいい?
(ひめ)いいですよ、でもお友達としてですよ(笑)
(グラタン)僕はひめを独占したがっている
(ひめ)いけませんね
(グラタン)メールなら1対1だから二人でいられる
(ひめ)では、メールはお断りします
(グラタン)ひめ・・
(ひめ)だから、一緒にチャットで皆さんと一緒にお話しましょう
(グラタン)ごめん、ひめが苦しんだのに・・
(ひめ)今でも辛いです。
(グラタン)ひめは、わるくないよ
(ひめ)それはわかりません。
(グラタン)ひめのやさしさが悪いはずはないよ
(ひめ)奥様を大事になされていますか?
(グラタン)話をそらす(笑)
(ひめ)そらしていません。奥様を大事にされない方は嫌いです。
(グラタン)お互いが自然な生活で無理はないし・・子供が中心
(ひめ)奥様とお子様を大事にしてください。おねがいします。
(グラタン)僕は大事にしてないと思うの?
(ひめ)いいえ、でも奥様がいらっしゃる方とお話する時は気になりますので。
(グラタン)ひめ、うちは、幸福な家庭にはいると思う。
(ひめ)よかった(笑)
(グラタン)よめさんもいいたいこと言うし、僕は暴君じゃない
(ひめ)ごめんなさい、そろそろりんを起こさないといけません。
(グラタン)子供は・・可愛いし、親馬鹿かもしれない
(
ひめ)(笑)
(グラタン)でも・・だったら・・しばられなきゃ駄目なの?
(ひめ)では女性の気持ちはどうなるのでしょうか?
(グラタン)ひめの?よめさんの?
(ひめ)いえ、いいです。
(グラタン)ごめん・・すぐ余計な事を・・
(ひめ)りんを起こさないと。
(グラタン)凛と話したいな
(ひめ)今ねてますが。
(グラタン)起こしたら・・よんで
(ひめ)朝は機嫌悪いですよ(笑)
(グラタン)いいよ(笑)
(ひめ)時間がかかりますよ、朝シャワーもあびますし。
(グラタン)待ってるといって
(ひめ)このままですか?
(グラタン)うん
(ひめ)何時までなら大丈夫ですか?
(グラタン)7時・・30分
(ひめ)分かりました。では、しつれいします。
(グラタン)うん・・


 僕はひめに会えて興奮してしていた。気持ちを落ち着かせる為に時間が必要だったが、凛はそれほど待たなくて現れた。


(RG)なに?お説教か?
(グラタン)我慢しろよ、RINが気にしている
(RG)メールしたよ、ちゃんと。
(グラタン)疲れたからやめるってね。
(RG)おかしいか?
(グラタン)僚のことが原因だとね、RINも責任を感じるのさ
(RG)だから?
(グラタン)僕が説得役
(RG)なんで?なんの?
(グラタン)さあ?
(RG)さあ?って、グラタンがわかってないんじゃない!
(グラタン)そうかも・・
(RG)おかしい!笑える!
(グラタン)ま、復帰して欲しいわけさ、RINは・・
(RG)ひめと話したんでしょ。
(グラタン)しつこくせまってふられた
(RG)しつこくした?おいおい!
(グラタン)うん
(RG)やめろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
(グラタン)つい、会えて嬉しくてさ・・
(RG)懲りないおじさんだこと・・・
(グラタン)友達で・・はいとはいえない
(RG)妻子もちでしょぉぉぉぉ!
(グラタン)わらえる?
(RG)苦笑だよ
(グラタン)そうだろうね(泣笑)
(RG)説明したじゃない、グラタン信用したのにぃ。
(グラタン)忘れてた
(RG)もう・・
(グラタン)ごめん
(RG)反省しなさい!
(グラタン)はい!
(RG)よろしい。
(グラタン)RINたちにわだかまりがあるの?
(RG)わだかまりなんてないよ。
(グラタン)じゃ、時間が出来たら復帰だね
(RG)復帰はない、今はグラタンだからきた。すまない事をしたからね。
(グラタン)いや・・こっちが悪い・・凛の文章も悪いが早とちりでかっとなった
(RG)うん、あんな書き方なら誤解されるもん。あれは私が反省!
(グラタン)RINは、不愉快な思いをした仲間を守ろうとしたんだ
(RG)うん
(グラタン)僚を責めるのが目的じゃない
(RG)私はグラタンの悪口いった?ひめの事で?
(グラタン)いわないよ
(RG)皆でよってたかって悪口いった?
(グラタン)知ってる人とで、ってこと?
(RG)僚がどうのこうのという問題じゃあないな。
(グラタン)そうか・・
(RG)そう
(グラタン)わかってきた・・
(RG)チャットの体質的な問題。
(グラタン)うん、否定しない
(RG)僚に助けてもらった子もいるよ。
(グラタン)気にするな・・は駄目?
(RG)気にはしていない
(グラタン)してるさ
(RG)なぜRIN達は拒絶しかしないの?
(グラタン)被害者とおもってるから
(RG)仲間がよければいいの?

(グラタン)RIN達も確認の為に僚と話したけど、僚は異質だった
(RG)異質な人間もいるよ、でもチャットはそれもいいんでしょ?
(グラタン)チャットにもルールがある・・僚なら知ってるはずだよ
(
RG)暗黙でしょ。
(グラタン)いや、常識
(RG)常識ほど恐いものはないよ。
(グラタン)でも、ルールは必要だよ・・
(RG)私のルールもある
(グラタン)認める
(RG)グラタンだからいえるんだよ。
(グラタン)でもさ・・チャットのルールと凛のルールは矛盾しないと思う
(RG)ここで問題なのは私のルールもあるということ。
(グラタン)わかる・・僕にもある
(RG)うんうん。
(グラタン)だから、チャットで喧嘩もする
(RG)でも私のルールは押しつけてないよ。
(グラタン)わかるよ・・じゃ、なぜ僕もきりすてる?
(
RG)切り捨てたかぁぁ?
(グラタン)チャットを切り捨てるなら全部だろ
(RG)ああ、そうかぁ
(グラタン)RINと一緒に僚を責めなかったメンバー
(RG)誰?
(グラタン)その時のメンバー知らないからそれ以外・・
(RG)ああ、そうゆうことね、それはそうだね
(グラタン)で・・メンバーにもこだわってないといった
(RG)こだわりは私にある。
(グラタン)もっててもいいさ。   
(RG)昔にたような事があったんだよ
(グラタン)馬鹿はほっとけ
(RG)馬鹿?
(グラタン)自分の価値観を押しつけるのは馬鹿さ。
(RG)わたしが馬鹿なのか?
(グラタン)違うよ、昔にたような事が、って言ったろ。その相手さ。
(RG)でもその時の馬鹿は私だよ。
(グラタン)何ぃ!
(RG)なんなのよ!
(グラタン)自分がやったことをやられるのがこわいのか?
(RG)違うよ。
(グラタン)わからないな・・
(
RG)またしてしまう事が許せないの!
(グラタン)うーーん、また早とちりか?
(RG)そうだね!笑える。
(グラタン)笑っていいよ
(RG)私を私が笑うんだよ
(グラタン)よせよ・・
(
RG)昔は私が人を傷つけた
(グラタン)誰にでもあることじゃない?
(RG)でも嫌なやり方でね、傷つけたんだよ
(グラタン)で・・傷ついてるんだろ。もうこだわらずに忘れろよ。
(RG)私は取り巻きが多くてね、女王様的な存在だったの・・厭味な
(グラタン)うん
(RG)相手は障害者の人だった
(グラタン)それでか・・
(RG)ここでは僚が障害者だろうと関係ないよ
(グラタン)そうか?本当に
(RG)本当
(グラタン)こだわりがあるさ
(RG)僚を見てないもん
(グラタン)感じてる
(RG)そりゃあ、ひっかかるのはあたりまえと思うなぁ
(グラタン)うん、そう思うよ
(RG)昔のその人に今から謝ってもしかたないし
(グラタン)過去にこだわるなよ
(RG)過去ではない
(グラタン)過去だよ!戻らないなら
(RG)それはグラタンには言わせない。
(グラタン)繰り返さない・・それでいい
(RG)繰り返したの。
(グラタン)凛・・
(RG)同じ時間に戻されたの。
(グラタン)それは・・
(
RG)でもRIN達は悪くない、知らないんだからね
(グラタン)やっと判った・・
(RG)僚も悪くない
(グラタン)うん
(RG)私の問題
(グラタン)そうなるね・・
(RG)RIN達には話さないで
(グラタン)仕事が忙しいといっとくよ
(RG)ありがと!さすがグラタン!!
(
グラタン)でもね・・待ってるよ
(RG)待たんでいい、他にもいるじゃん!
(グラタン)なにがさ
(RG)良い子とあそびなよって事、私をまつより。
(グラタン)友達だろ?自惚れか?
(RG)チャットのね。
(グラタン)そうさ、だからチャットで待つ
(RG)まあ、気がむいたら・・
(グラタン)それでいいよ、強制はしない
(RG)だから待つなんていわないでね
(グラタン)そうだな・・
(RG)RIN達にも言っておいてくれる?
(グラタン)おけ、仕事だね・・それと彼氏がらみとでも言っておくか
(RG)なにを?
(グラタン)チャット中断の理由
(RG)彼氏ね、どれにしよう
(グラタン)それで納得するさ
(RG)そうかい?
(グラタン)そろってる
(RG)グラタンにまかせるよ。お願いします。
(グラタン)お願いなんてするなよ
(RG)じゃあ、やめっか
(グラタン)うん、らしくないよ
(
RG)勝手にイメージつくんなぁ!
(グラタン)イメージと合っているはず
(RG)ひめにもイメージふくれてんでしょ!
(グラタン)もういいよ、ひめは・・
(RG)しつこくしたらいけんよ。
(グラタン)ひめにメール・・駄目かなぁ
(RG)いいけど、しつこいのはだめ
(グラタン)いや、もういいよ
(
RG)いじけないの!男でしょ!
(グラタン)なんか・・まちがってたね
(RG)元気だせぇぇ
(グラタン)うん、また話したいけど、まかせるよ
(RG)ひめと?
(グラタン)凛とさ
(RG)ああ、ありがとね
(グラタン)じゃ・・シャワーあびなよ
(RG)そうだ!!シャワーちゃんだ!
(グラタン)元気でな
(RG)おう!グラタンもね
(グラタン)うん、さようなら
(RG)さようなら。

 もう、食事する時間はない。急いで開始時間には間に合ったが、研修で居眠りをしてしまい、評価を大きく下げてしまった。