第三章  想い


 夜と朝の両方でチャットをする為、早く寝て深夜に起きる事にした。次々とメンバーが入れ替わりとても憶えきれないが、けっこうスムーズに新参の僕をルーム仲間と認めてくれる。

(グラタン)そう?(笑)>妖精サン
(RINNG)こんばんは>ALL
(グラタン)こんばんわ(^。^)>RINNGサン
(ぶるり)いらはい>RINNG
(妖精){ヤア}ξ゜)こんばんは>RINNG
(RINNG)RIN姉は?
(グラタン)12時過ぎからいるけど見ないね>RINNGサン
(RINNG)ありがとう。>グラタン
(ぶるり)じゃ、3時間ここにいるんだ・・>グラタン
(グラタン)徹夜予定(笑)>ぶるり
(RINNG)グラタン、ひめをよろしくね
(グラタン)どうしたの?>RINNGサン
(RINNG)私とうぶんチャットできなくなるんだ!
(妖精)え!>RINNG
(グラタン)どうして!!>RINNGサン
(RINNG)仕事が鬼のように忙しくなんの
(グラタン)チャットやめるの?>RINNGサン
(RINNG)やめない、やめない
(グラタン)そうか、個展だね・・>RINNGサン
(RINNG)そう
(妖精)そうですか、残念だけど御仕事頑張ってくださいね>RINNG
(グラタン)わかった、仕方ないよ>RINNGサン
(RINNG)だから復帰まで私を忘れないでね!
(グラタン)でも、気晴らしに覗いて。気分転換も必要だよ>RINNGサン
(RINNG)がんばってみるわぁ>グラタン
(妖精)またお逢いしましょうね>RINNG
(グラタン)待ってるよ>RINNGサン
(RINNG)ありがと、じゃ落ちるね
(妖精)おやすみなさい☆また遊ぼうね〜☆{ジャアネ}ξ゜>RINNG
(RINNG)あしたから、撮影のロケーションで各地飛まくり
(グラタン)またね(^.^)/~~~>RINNGサン


 リンはチャット室の女性と話すのが好きで僕とは距離を置いているが、ひめの友達としては認めてくれた。気になったのはひめも同じように忙しくなってチャットが出来なくなるんじゃないかという事だ。知り合いや新しいルーム仲間と話すのは楽しいが、ひめの存在に比べると時間潰しに過ぎない。

(ひめ)おはようございます
(グラタン)おはようさん、リンが当分駄目だって?
(ひめ)はい、きのう代表とだいぶ言い合ってました。
(グラタン)ひめは大丈夫?
(ひめ)?
(グラタン)チャットを続けられるの?
(ひめ)はい、私は大丈夫(笑)
(グラタン)よかった(笑)
(ひめ)はい。りんとは仲良くなれました?
(グラタン)うん、いい子だね、リンも
(ひめ)口は悪いけど(笑)
(グラタン)ひめは、もっといい子だけど(笑)
(ひめ)ありがとうございます。
(グラタン)でも、あの程度では暴れん坊じゃないよ
(ひめ)猫かぶってるんですね、きっと。
(グラタン)そうかな(笑)
(ひめ)(笑)
(グラタン)ひめはどう?
(ひめ)?
(グラタン)猫かぶってるの?(笑)
(ひめ)私は、ぼーっとしているそうですから(笑)
(グラタン)いいよ、おおらかで。朝食は?(笑)
(ひめ)そろそろ(笑)
(グラタン)味噌汁?
(ひめ)りんのために特別サラダを(笑)
(グラタン)空模様はどう?
(ひめ)まだ、外は見ていません。
(グラタン)そう、でも暑くなるみたいだよ
(ひめ)汗かきますね、私は日焼けできません
(グラタン)どうして?
(ひめ)肌がよわくて。海にいくと一週間寝込みます。本当の話です。
(グラタン)そう・・体、弱いんだ・・
(ひめ)体もぼーっとしてるんですね、きっと。
(グラタン)繊細なんだよ
(ひめ)でも海にいっちゃいます。
(グラタン)海、好きなんだね
(ひめ)好きではないんです。りんが体鍛えようっていって
(グラタン)むむ・・言いそうだ・・
(ひめ)りんのおもちゃなんです、私。
(グラタン)そんなことないよ。ひめをよろしくって言ってた
(ひめ)感激です。
(グラタン)10月まで忙しいんだね
(ひめ)りんは忙しくなったみたいです。
(グラタン)ひめは無理しないように・・
(ひめ)そろそろ、お味噌汁つくりますので(笑)
(グラタン)リンの特別サラダもね(笑)
(ひめ)それではしつれいします
(グラタン)また明日、この時間に
(ひめ)はい、また明日


 朝のチャット仲間が別のチャット室に集まっていたが、僕はネットを離れた。ひめとのチャットの余韻を味わっていたかったから。僕にとってひめが最優先で、ひめも僕を最優先にしてくれていた。だからどうと言う事はないが、嬉しかった。暫くすると家族が起き、コーヒーの香りが漂ってくる。現実の世界の目覚めだ。でも、ひめだって現実の存在に変わりはない。