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第九章 僚 ひめがいないチャット室は虚しかった。たまに凛と一緒になる事もあったが、彼女は僕との会話を避けている。メールと違って跳ね回るような彼女のチャットは苦手だったし、実生活から離れた気楽なチャットを求める彼女は僕と話したくないようだった。 朝組には夜の仕事をしている人が多い。もずはバーテンダーだし、うりは深夜営業の中華料理店をやっている。僕は子供と一緒に寝てしまう習慣が出来て早起きになったのだが、不眠症気味の学生や無職で時間の観念が変わってしまった人もいる。そして僚は定職についていないようだった。 僕の印象では、僚は暗い面もあるが気楽に話しの出来る朝組メンバーであり、別におかしな所はなかった。ハンドルの由来はシテイハンターの主人公冴羽僚からだそうで、絵をメールで貰ったことがある。 深夜組は初心者でも気楽に話せる雰囲気があり、凛が姉と慕うRINの影響力もあって常連に女性が多い。僕なんか、チャットの内容からRINにはレズッ気があるのじゃないかと疑ったくらいだ。
メールを読んで頭にきた。何で凛に責められなければならないんだ? 僕は返事のメールを書いた。文句を言われる筋合いはない。ひめに対する想いは変わらないが、ここまで言われたからには凛と絶交する。ひめの事を知りたいのに、はぐらかしてばかりの凛に対する鬱憤もあって、僕のメールは、かなり過激だった。
短絡的な凛と早とちりの僕のすれ違いは相性が悪いせいなのかもしれない。しかし凛の危惧が正しかった。団結して異端分子を排斥したチャット部屋は、明らかに閉鎖的な雰囲気へと変わった。表面的には仲間でも、僕と凛は異端分子だった。 |
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