旅から戻ると皇帝のお召しがあり、宮廷に参内した。
「長旅、御苦労であった。収穫はあったか?」
「いえ、報告書の通り、とんでもない僻地でして・・」
「ふむ、それで途中から引き返したわけか」
俺の顔から血の気が引いたと思う。実は目的地に行かず、歓楽街で資金も時間も使いきってしまったのだ。適当に旅の連中から資料を集めて報告書に加えたのだが、手抜かりがあったらしい。
「これが判るか?」
 皇帝は俺に絵を差し出した。
「美しい女性でございますね」
「お前の報告資料の中にあったのだ。朕は、この女に会いたい」
「しかし・・この絵だけでは・・」
「見つけて連れて来たら、お前を大臣に任命するぞ」
「ははー、行ってまいります」
「金は幾らかかっても構わん。住民が女を渡さぬと言うなら、地域ごと焼き払ってしまえ」
「仰せの通りに」


俺は急いで仲間を集合させ、出発した。失敗すれば、間違いなく首が飛ぶ。
「しかし、見つかりますかねぇ」
副長が自信なさそうに呟いた。
「これだけの美人だ、原住民を捕まえて拷問すれば、すぐに判るさ」
俺は、その絵と一緒にあった書類の文字を解読させた。
ピカソ「泣く女」
「旅の交易商は、みっともない猿がうじょうじょいるって言ってましたよ」
「それは下等動物で、飼い主がいるのだろう」
俺たちの光速船は太陽系第三惑星を目指した。