| 「ファーストキス」 (愚駄)くだらん発言は寝てやれ (俺の○○はビックだぜ)何だと!ジジイ!! (愚駄)チャットを荒らして楽しいのか?クソガキめ。弱い犬ほど吠える (俺の○○はビッグだぜ)俺は暴力団だぞ!お前こそネットだから安全と思ってるな。調べる方法はあるんだ、押しかけて殺してやる! (愚駄)ひねた小学生がうろついてたらお前だな (俺の○○はビッグだぜ)ぶっころす!!!!!!!!! チャット部屋にいた他の連中はみんな移動していった。この馬鹿とROMが一人だけだ。 (愚駄)馬鹿の相手は飽きた。さっさと落ちろ (俺の○○はビッグだぜ)何で俺が落ちる!お前が落ちろ! (愚駄)俺が先に入っていた。部屋の優先権は俺にある (俺の○○はビッグだぜ)仲間を連れて戻ってくる!逃げるなよ! (愚駄)アホ軍団か・・サイテーが集まってサイテーズだな 男が去って、僕はボードから手を離し欠伸をした。 もうチャット部屋に1年前の規律や楽しさはない。親しかったチャット仲間もほとんどいなくなった。かわりに程度の低い若い連中が増えて、まさに荒らし放題になっている。 (くま)こんばんわ (愚駄)おはつです(^○^)さっきからROMしてた人だね (くま)どうして判るの? (愚駄)IDでチェックできるんだ。 (くま)初心者です。さっき、怖かった (愚駄)変な奴も多いけどね・・でも気の合う友達を見つけたらチャットは楽しいよ (くま)愚駄さんはベテラン? (愚駄)入れ替わりが激しいからね。もうベテランになったかも・・ (くま)いろいろと教えてください 僕はチャット部屋の使い方とマナー、今までの体験などを話した。(くま)は感心したように相槌を打つ。前はコマンド中心の初心者指導だったが、ウインドウズ画面になってからは必要がない。 (くま)チャットって面白いね。明日もいる? (愚駄)うん、テレホタイムには入っているよ (くま)また話してくれますか? (愚駄)よろこんで 礼儀正しい若者と話すのは楽しい。マナーは形で、チャットは気持ちだ。僕は(くま)が慣れて自分に合う仲間を見つけるまで見守ってあげたいと思った。 (くま)自己紹介ってしないの? (愚駄)上のバーにプロフってあるだろう? (くま)あ、あった (愚駄)押すと僕のハンドルが出る。クリックしてごらん (くま)わぁ・・面白い・・君の年齢×2って? (愚駄)まぁ、チャットじゃ年寄りの部類だね。僕より上の人は少ないよ (くま)ぼくも作らないと駄目かな・・むつかしそう (愚駄)使っているのは古い連中ばかりだから気にしなくていいよ (くま)新潟、年齢15、女子高生、あと何を書けばいいの? (愚駄)そんなプロフ書いたらナンパの連中であふれちゃうよ(爆) 僕は、この時まで(くま)を男だと思っていた。親しかった仲間に同じ(くま)ハンドルの男性がいたからだと思う。チャットの女子高生は苦手だが、いまさら逃げられない。 (くま)ナンパって、最初にいた俺の何とかって人? (愚駄)うん、ああいう連中。ソフトタイプもいるけどね (くま)でも、ネットだから (愚駄)メル友になろうとか、会いに行くとか言い出すんだ (くま)怖いな・・ぼく、愚駄さんと話してるのが楽しい (愚駄)光栄だね。いつでも相手するよ オープンのチャット部屋は誰でも入れる。外から参加者のハンドルが見えるのだが、「愚駄」と「くま」ではあまり来訪者がいなかった。 (くま)他の人がくるといやだな (愚駄)昨日のグラタンのこと?くまが女子高生とわかったらがらっと態度が変わったね (くま)なんだかいやらしかった (愚駄)あの程度は普通だよ。もてない男って、顔の見えないネットで豹変するんだ (くま)愚駄さんとふたりだけがいいな (愚駄)じゃ、プライバシーを張る? (くま)何?それって (愚駄)鍵をかけるんだ。そうすると外から入れない (くま)それがいい、その、プライバシーでやろうよ それからはプライバシーで二人だけのチャットを楽しむようになった。 (真希)喫茶店でバイト始めたんだけど (愚駄)おや、何にもない所じゃなかったの? (真希)遊ぶ所がよ!喫茶店くらいあるわ (愚駄)僕はモカがいいな。ブラックで (真希)塩いれてあげる (愚駄)真希を見ながら飲むと塩でも甘い (真希)その、見られるのが問題、制服がミニなのよ (愚駄)スプーン落としちゃった。屈んで取ってよ (真希)愚駄のH!でも、本当に見えそうで恥ずかしい (愚駄)バイト料に入っているんじゃない?サービス料 (真希)だから中年のお客さんが多いのね・・ 真希は彼女の本名じゃない。僕がモー娘。のゴクミを好きだとプロフに書いていたんだが、私、似ているっていわれるわよと言ってハンドルを変更したのだ。 くまのハンドル由来は、部屋のぬいぐるみからだそうで、くまさんパンツからじゃないかと言ってふくれられた。似たようなものだと思うが・・ 真希は公立高の受験に失敗して私立に入ったらしい。周囲に馴染めずに落ち込み、気分転換にお兄さんのパソコンでネットに入った。 (真希)だから洋子と沙織は二人とも萩原君が好きなの。三角関係、どうなると思う? (愚駄)その萩原君がどっちを好きか聞けばいいんじゃない? (真希)そこが難しいのよね・・同じクラスだから (愚駄)真希は好きな人、いないの? (真希)ぼく?うーーーーーん、どうかなーー (愚駄)いるのが普通じゃない? (真希)あのね・・ぼくって、いい子じゃないの (愚駄)真希はいい子だよ。僕が保証する (真希)心が狭いの。人と話すのが苦手だし。裏表があるし。わがままだし・・ (愚駄)自分に枠を作ってるんだね。自意識過剰だよ (真希)何でそうなるの? (愚駄)周りが自分をどう見るか気にし過ぎている。真希は真希、自信を持って (真希)そうかしら (愚駄)うん、自分の中に閉じこもっちゃ駄目だよ (真希)わかった、頑張る。ぼくって考えすぎるんだね、きっと 僕は女子高生に偏見を持っていたらしい。真希は純粋で可愛かった。もっとも新潟の田舎という事で一般の女子高生とは違うような気もするが。 (真希)あのね・・ネットが出来なくなるの 真希と出会って半年、僕達はほとんど毎日二人だけのチャットをした。お互いを知れば話題は自然に出てくる。真希は僕の心を癒してくれる大切な存在になった。 (愚駄)何かあったの? (真希)お兄ちゃんが家を出るの。それで、パソコンを持っていっちゃう (愚駄)そうか・・ 真希のご両親は厳しいほうではないようだったが、いつも遅くまで真希がネットをしているのに賛成ではない。お兄さんは妹に甘くて味方だったが、家を出ればそれまでだろう。 (愚駄)仕方ないな・・寂しいけど (真希)お小遣いじゃパソコン、とても買えないの (愚駄)いつまでパソコン使えるの? (真希)明後日、荷物に詰めるんだって (愚駄)じゃ、明日の夜が最後? (真希)もう一度頼んでみる! 無理だろうと思ったが、やはり次の日の真希は元気がなかった。 (真希)買うなら高校卒業して自分のお金で買いなさいって・・ (愚駄)成績が落ちたからね。お母さんの気持ちも判る (真希)ぼくね、つらかったんだ。愚駄さんに会えて立ち直れたのに (愚駄)何もしてないよ。真希と話すのを楽しんだだけだ (真希)あのさ・・好きな人いないかって聞いたよね (愚駄)うん、覚えてる (真希)今、好きなのは・・愚駄さんだな・一番好き (愚駄)僕も真希が好きだよ (真希)えへ、ネットってこんな事も言えるんだね (愚駄)顔は見えないけど、心は通じるだろう? (真希)うん、愚駄さんにぼくのファーストキスあげる (愚駄)いいの? (真希)うん、やさしくね (愚駄)(⌒o⌒)(^ )チゥ (真希)あ、子供あつかいだ (愚駄)(*・( )チュ (真希)(^.^)チュッ (愚駄)レモン味だった・・ (真希)お母さんが怒ってる・・さようなら (愚駄)いつかはわからないけど・・またね (真希)うん! 一期一会。出会いがあって別れがある。判っていてもつらいものだ。 (ケンタ)おーーい、誰かいるか? (愚駄)は〜い、お初です(^○^) (ケンタ)顔文字ってどうやるんだ? (愚駄)登録すればいいけど、画面でも出来るよ 僕は初心者の時に他の人からいろいろと面倒をみてもらった。チャットには実生活では味わえない心の触れ合いや自由があった。もう時代遅れになったかもしれないが、そういうチャットを求める人がいたら手助けをしたい。 (愚駄)左上にkaoってあるだろう?クリックしてごらん (ケンタ)なんだ、簡単じゃないか。あの野郎、自慢気に使いやがって! |