| 島で生き残ったのは5人の若者だけだった。火山の噴火は止まらず、島が沈むのは時間の問題だ。必死になって辿り着いた海岸には小さなボートが一艘。 高志と美穂、洋一と和子は恋人同士だ。ボートは二人しか乗れない。裕介は睨み合う二組のカップルをオロオロして見ていた。 激しい口争いが始まって、高志と洋一は殴り合いを始めた。美穂と和子も恋人に味方しようと闘いに加わる。泣きながら止めようとした裕介は突き飛ばされて気を失った。 「高志!」 気が付いた裕介は、苦しそうに砂浜を転げまわっている高志に駈け寄った。 「チキショー!洋一と和子は殺したが、美穂もやられた。俺も首の骨が折れたらしい」 「何でこんな事に・・俺達は友達だろう?」 「馬鹿野郎!殺し合って友達もあるか!お前の面なんか見たくねぇ、さっさっとボートで消えちまえ!」 「嫌だよ、一人でなんか・・」 「一人だけ生き残るお前が憎い!殺されたくなかったら行け!」 「高志・・」 裕介は高志に砂を投げつけられ、何度も振り返りながらボートで島を離れて行った。 「もういいだろう」 高志は立ち上がると、後ろで死んでいる4人に声をかけた。 「じっと死んだ振りをしてるのって、つらかったわ。でも、本当に洋一はこれで良かったの?」 「ああ、俺と和子は生きるのも死ぬのも一緒だし、裕介は俺達の中で一番頭がいい。奴だけは絶対生き残って欲しいからな」 「俺と美穂もそうさ。そして、こうでもしなきゃ、裕介は絶対ボートに乗らない。さぁ、最後のパーティでもやるか。踊ろうぜ」 「待て・・あれは・・」 水平線から戻ってくるボートが見えた。 |